超回復が体力をつける

トレーニングをすると当然カラダは疲労します。運動強度60%以上のトレーニングを終えて休養すると運動前の状態に戻るだけではなく、元の体力レベルを少し超えたレベルまで回復が進むことを「超回復」といいます。

疲労・回復・超回復のサイクルを学ぶ

超回復したカラダは、そのままトレーニングをしないでおくと、元のレベルに戻ってしまいます。しかし、超回復の効果が残っている間に、再び運動強度60%以上の適切な運動をすると、さらにそこから疲労、回復、超回復のサイクルがおこります。すると最初のレベルから段々と体力がレベルアップします。このサイクルの繰り返しが体力向上になるのです。

運動強度を掛けないと超回復は発生しない。

運動強度が60%以下の楽ちん!なトレーニングでは超回復は起こりません。また、トレーニングの間隔が開きすぎても超回復しているタイミングから遅れるので、いつまでたっても体力はアップしません。

超回復には適切な休養が大切。

栄養不足や睡眠不足で休養が不十分だったり、回復を待たずにハードなトレーニングを続けて行うと、超回復はおろか体力が徐々に低下しすぐに戻らなくなってしまいます。これが「オーバートレーニング」です。よく、60歳以上の男性で「昔はこんなではなかった!」と休養を取らずにひたすらトレーニングに打ち込み、結果、アキレス腱などを切断してしまったなんて事もあるのです。

休養の時間的目安

筋肉のサイズによって超回復の時間が変わります。当然、大きい筋肉ほど回復に時間を要します。腹筋で24時間ほど、大腿四頭筋で72時間と言われています。登山の場合、大腿四頭筋や大腿二頭筋を酷使しますので、超回復のタイミングは72時間後、3日後を目安に運動強度60%以上のトレーニングをすると効果的と考えられます。

加齢で筋肉痛が遅れる?

筋肉痛が遅れてやってくる、とお思いの中高年登山者は沢山いらっしゃるかと。でも、色々な文献を読んでも年齢と筋肉痛に関係性はみあたらないと言われています。また、筋肉痛にも種類があり、1,運動中の筋繊維の損傷、2,筋繊維が修復する際の炎症が考えられます。加齢により、内臓などの機能低下や血管の老化で筋細胞への血流量の低下により、筋繊維の修復遅延が起こるのではと仮説を立てています。

加齢と運動を考えると、60歳を超えた場合、疲労→回復→超回復のサイクル期間が長くなっているのではと考えています。日頃の運動によって個人差があると思いますが、大腿四頭筋などの超回復サイクルを72時間+α(24時間程度)で運動強度60%以上のトレーニングを行ってみると快適かもしれません。

参考文献:スポーツの動作と身体のしくみ、wikipedia