登山におすすめのサプリメント

登山者にとってどのサプリメントを飲むかは、次の日に疲れを残さない、もしくは次の登山に向けての体調管理に非常に重要です。山岳ガイドが実際に飲んでいるお薦めサプリメントです。登山当日の朝にアバンド、登山中・行動中にアイソカル100、トレランのようなキツい長距離にはモルテン、登山後・就寝前にムサシに使い分けて使用しています。

山岳ガイドお勧めサプリ

アバンド(Abound)

アバンドとの巡り会いは、山岳ガイド協会の資格更新研修会で医師講師から勧められたのが切っ掛けです。お医者様が良いと仰っているので、そこは素直に購入して自分で実験。う~ん、いいんじゃない!で、採用決定。欠点は正直ちと一袋500円とお高め。毎日飲むには懐のほうが痛くなるので、体力判定ツアーなどの体力系ツアーの前に飲用しています。もともとアバンド本来の目的は、がん治療や術後の体力と筋力復活サプリメント、製造元のアボットは医療現場でよく使われている経腸栄養剤エンシュア・リキッドのメーカーです。

アバンド(Abound)オフィシャルページ
アバンドのウンチク、リンク先

HMBは筋肉を作る作用をサポートします。

HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)は必須アミノ酸であるロイシン代謝産物です。ロイシンの摂取により体内で生成される成分で「筋肉の合成を促進」や「筋肉の分解抑制」として働くことが知られています。HMBは液体で存在するためカルシウムと結合することで粉末(HMB-Ca)で摂取できます。

「筋肉の合成を促進」とは、疲労-回復-超回復のサイクルにおいて、運動で損傷した筋細胞の再合成を促進することです。「筋肉の分解抑制」とは、激しい運動をするとエネルギー確保のため、筋肉が分解されアミノ酸が血中に放出されますが、その筋肉の分解を抑制することです。

簡単に言えば、筋力アップと傷ついた筋肉の修復に役立ち、即効性がありながら年間を通して登山する方に適したサプリメントです。当然ですが運動の後は良質のタンパク質の摂取(美味しい赤身のお肉ですね、老生はラムが好き!)を忘れずに。

アバンドの摂取タイミング

摂取のタイミングですが、老生は登山当日朝に飲んでいます。
1,運動中のHMBの筋肉の分解抑制
2,グルタミンによるグリコーゲン回復作用
3,アルギニンによる運動時の疲労感を引き起こすアンモニアの抑制

アイソカル100

費用対効果を含めて一番お勧めな行動食サプリメントになるかな。病院食や介護食のイメージが強いというか、その方向性で販売してるのですが、最高のバランス栄養食であるのは間違いなく、短時間で適格な補給が出来るのは行動食サプリメントとしての条件を備えています。コストとしても1本200円弱ですので、一日6時間の登山で3本ザックに忍ばせ300mlで600円、腹持ちを考えてお握りやパンと抱き合わせれば完璧でしょう。

登山こそ栄養バランスが重要

①100mlで200kcalという高効率のエネルギー源、②有酸素運動に必要な炭水化物が25.0g、③筋肉の生成と修復に必要なタンパク質8.0g、④素早く分解吸収されエネルギーになるMCTオイル(中鎖脂肪酸)2.4g、⑤13種のビタミン類、13種のミネラル分、⑥食塩相当約0.3gと水分70mlを含み、重量分を考慮しても他に代えがたい要素を複合しています。バテてしまったときでもアミノバイタルのゼリータイプを飲むよりアイソカル100を飲んだ方が余程効率的で疲労回復と代謝アップに良いでしょう。介護や医療の現場で有用な素材を登山に流用しない手はありません。

アイソカル100の摂取タイミング

登山開始直前、行動中、行動後と、いつ飲んでも悪いこと無しの含有成分です。登りメインのコースなら1時間に一本の割合、Max3本を限度に摂取すれば、かなりの栄養ポートになります。縦走等であれば2時間に1本にするなどコースによる運動負荷を考慮して摂取しましょう。サプリメントは一気に且つ大量に摂取しても消化吸収しきれずに尿で流れてしまう場合が多いので、ある程度時間差を考慮しパンやお握りなどとローテーション使用します。

モルテン・GEL100

モルテンはお恥ずかしながらお客様から進められて知りました。老生は諸般の事情によりエネルギー補給に難がありまして、効率的に且つ消化の良い行動食が求められます。そこで出会ったのが「モルテン」です。

有酸素運動のエネルギーを補給

有酸素運動のエネルギー源は炭水化物です。その炭水化物を効率的に身体に吸収させて運動エネルギーにかえるサプリメントが「モルテン・GEL100」、アスリートも使用している運動中のサプリメント筆頭と言って良いでしょう。

モルテン・GEL100の摂取タイミング

行動中や疲れたとき、ハングアウトの時など、マルチに使えるサプリです。ハングアウトの時にアミノバイタルを摂取する方や進める方がいますけど、瞬発的に回復した気がするのですが、アミノバイタルでは長時間的運動エネルギーの補給にはならないので、歩き始めると差ほど時間が経たないうちに「ほきて」(ホキるという登山用語)しまいます。

ムサシ・ニー

BCAA L-ロイシン、L-バリン、L-イソロイシンの3種のアミノ酸、味の素アミノバイタルが有名ですが、小生はMUSASHIをお薦め。日本の会社と思いきやオーストラリアの会社です。ドーピングに対しても厳しいお国ですので、コストよりも品質で勝負しているようです。なので、こちらも一袋130円強とチョット高め。

MUSASHI公式ホームページ

疲労物質・乳酸を分解させます。

ムサシ・ニーの摂取タイミング

摂取のタイミングは運動後が一般的ですが、特に宿泊を伴う登山では就寝前をお薦めします。次の日のカラダの軽さというか、筋肉の硬直具合が違います。スッキリとした目覚めを感じるでしょう。ただしBCAAの過剰摂取は睡眠を妨げる原因にもなりますので注意が必要です。

富士山に最適・高山病対策サプリメント

富士山に登山する際の高山病対策には、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)の摂取がおすすめです。これらの必須脂肪酸は、血液の循環や酸素供給をサポートし高山病の症状を軽減します。さらに、ナットウキナーゼの摂取も有益で、血液の流れを改善し血栓の予防や解消に効果があります。高山病のリスクを軽減するためには血液循環の促進が非常に重要になります。全部入りがデュアナチュラになるかな。

富士山登山の一週間くらい前から、EPAおよびDHAを豊富に含む食品やサプリメントを摂取します。魚介類、特に青魚(サーモン、マグロ、サバなど)はこれらの脂肪酸が豊富に含まれています。また、ナットウキナーゼ摂取のために朝食の納豆は積極的に頂きましょう。

疲労・回復・超回復のサイクル

体力をつけるサイクルを知れば、日常のトレーニングメニューが見えてくる。