体力を向上するには運動強度が必要

運動強度のとは

運動強度は、運動時の負荷やきつさがある程度数値化されています。運動強度の表し方には「METs(メッツ)」「RPE(自覚的運動強度)」「心拍数」があります。

METs(メッツ)

METs(メッツ)はメッツとは運動や身体活動の強度の単位です。 安静時(横になったり座って楽にしている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。 詳しくは厚生労働省のページをご覧下さい。

自覚的運動強度(RPE)

RPE(自覚的運動強度)は運動が、非常にきつい、ややきつい、楽である、など自分の感覚を数値化されたもの。

心拍数(ハートレート)

心拍数は運動時の心拍数を用いて運動強度を表します。(220-年齢)-安静時心拍数)×運動強度(%)+安静時心拍数。年齢を基準とするのと、安静時心拍数は各自の開きが多いため、比較的安全で安心した数値と考えられます。最大心拍数=220-年齢を100%として運動強度を算出します。

60歳/安静時心拍数70を基準とした目標心拍数の例

運動強度(%)目標心拍数自覚的運動強度主な効果有無酸素
100160非常にきつい最大酸素摂取量(Vo2Max)の向上
\n
無酸素運動域
95156
90151かなりきつい速筋繊維の向上
85147
80142きつい無酸素性代謝閾値(AT)
トレーニング
75138
70133ややきつい持久力の向上
\n ミトコンドリア増量
遅筋繊維の向上
有酸素運動域
65129
60124
50115楽ちん健康維持

最大酸素摂取量は1分間に体重1kgあたり取り込むことができる酸素の量(ml/kg/分)を示し「VO2max」(Volume〔量〕O2〔酸素〕max〔最大値maximum〕)と略記されます。運動強度が高くなったり運動継続時間が長くなったりしても、体内に十分な酸素を取り入れ利用することができる能力が全身持久力です。そのため最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。

無酸素運動と有酸素運動とは

有酸素運動は筋力、筋持久力向上の効果は期待できません。しかし有酸素運動トレーニングに無酸素運動(筋力)トレーニングを追加した場合、より高い効果が得られると考えられています。

有酸素運動のに適した運動強度とは

ミトコンドリアを増やすトレーニング

筋力アップするには速筋繊維を鍛える必要があります。しかし、厄介なことに有酸素運動だけでは速筋繊維を鍛えることが出来ず、無酸素運動となる高い運動負荷でのみ速筋繊維が鍛えられます。登山といっても、所詮趣味の世界だし、ガチのトレーニングをするにはマインドも付いてこないし。ということで、おすすめのトレーニング方法をお伝えしたいと思います。

スロートレーニングのすすめ

スロートレーニングとは、ゆっくりとした動作で行うトレーニング方法です。筋肉に力を込め血管を押しつぶし血流を制限した状態での運動になります。血流が制限されると筋肉内の筋酸素化レベルが下がり擬似的な無酸素運動となり乳酸が多量に筋肉内に蓄積し浸透圧を一定にする働きから筋肉内に多量の水分が貯留してパンプアップします。

擬似的な無酸素運動を行い、筋肉を騙すことによって筋力アップするのがスロートレーニングになります。速筋繊維の他、ミトコンドリアの増量も期待でき、中高年登山者には最適なトレーニング方法と考えられます。スクワットや腕立て伏せで「5秒かけて下げて、5秒かけて上げる」「肘や膝を伸ばしても動作を止めない」ゆっくりと一定時間動かし続けることで筋肉に無酸素状態を作り出すのがポイントです。

スロートレーニングの目標回数は(下げ5秒+上げ5秒)x10回x3セットです。

タバタトレーニングのすすめ

4分で最大限のパフォーマンスを引き出すと言われているのが「タバタトレーニング」です。タバタトレーニングでは、20秒の運動と10秒の休息を1セットとして、8セットで疲労困憊に至る間欠運動を行います。究極のインターバルトレーニングと表現すれば良いでしょうか。無酸素運動状態を作り出し、速筋と遅筋両方のトレーニングにミトコンドリアの増量も期待できます。

タバタトレーニングはエアロバイクやロードバイクでのトレーニングが一般的ですが、まずはお試しで体験したい場合は「ママチャリ・タバタ」です。スタンドを立てたまま空回転させ「ブレーキ」で調整して負荷を掛けます。ママチャリでもマジでやると大腿四頭筋がパンパンにパンプしますからお試しあれ。トレーニングの際はスマホアプリがお勧めです。adnroidiOS:

持久力を増やすトレーニング

山に行ってしっかり歩いてらっしゃい

水泳はやっぱりお勧め

中高年ほどロードバイクを楽しもう

超回復が体力をつける

体力を向上させるには「適切な休息」を取ることが重要です。休息と超回復からトレーニングサイクルを身につけてください。

参考文献:厚生労働省、立命館大学、登山の運動生理学、ニュートン別冊、wikipedia