山旅カレッジ推奨、ザックの選び方です。無理して買い換える必要はありません。まずは今お持ちのザックでOK、次に買い換える時の参考にしていただければ。一般登山や縦走より、岩稜帯や岩場、沢登りや雪山での使用を前提としています。登山ショップ店員の発言や、アウトドア雑誌の記事とは全く違うことを書いているかもしれませんが、ま、違う考え方もあると言うことで。
山旅カレッジ推奨・ザックの選び方
木村ガイドは、ドイター・ガイドとマムート・トリオンを愛用しています。

サイドポケットがないタイプを
クライミングする場合は邪魔だし「かっこ悪い」、皆様ごめんなさい!サイドにある網ポケットはザックとして美しくない。本当はサイドポケットにペットボトルを入れて欲しくないけど、細かいことは言っていません。
1,サイドポケットのペットボトルは落ちない落とさないとか言う方いらっしゃいますが、登山道沿いに無造作に転がってるペットボトルの殆どは、サイドポケットから落ちたものだよね。自然保護でプラスチック廃棄物云々言うなら、ここから改善して欲しいですね。
2,滑落した場合、サイドポケットのペットボトルは確実に無くなります。ショルダーベルトに付けても同じ。そうすると、水分補給の道は絶たれてしまうのです。いざ、というときのためにもザックの中に収納するのがセオリーです。ハイドレーションにするか尼蓋に仕舞うか考えましょう。
ウエストベルトが外せるタイプを

ウエストベルトはあっても良いけどハーネスの邪魔にならない位置にあることが重要です。可能ならハーネス使う時は外しましょう、クライミング、アルパインはスピードが重要です。ギアの扱いで少しでも負荷になるタイムロスは避けたいものです。山道具屋とか雑誌では腰で背負うなんて皆言いますが、クライマーはウエストベルトがハーネスに干渉するので肩で背負います。
背中メッシュの無いタイプを

このような背中メッシュタイプはお薦めしていません。稜線上で風に吹かれザックを背負っていた方が暖かいという体験があると思いますが、高所では通気性が良く低体温症になる可能性があります。雪山では、ザック本体とメッシュのあいだに雪が詰まって使うことが出来ません。とはいえ、夏場の低山で速攻登山、トレラン?、じゃないけど下見登山で大量の汗にメッシュが助かるので使っています。道具は絶対これ、ではなくTPOで使い分けましょう。
シンプルが一番!
クライミングを始めると、不必要な物はザックの下に詰めて、あとは上から適当に押し込むだけです。なのでシンプルが一番。パッキング技術を教えてと言われますが、慣れてくると本当に上から詰めて、空いたスペースに柔らかい物を押し込んで整形するだけ、なんですよ。
じゃ、補助ロープの収納場所ね。1,ほぼ使わないのが判っているルートで念のため持って行く場合はザックの下の方。2,使う可能性があるけど、直ぐ出せれば問題ない程度のルートはザックの上の方。3,ほぼ確実に使うことが考えられるルートは、ザックの一番上に収納して引き出し用にロープを少し出しておきます。TPOですね「絶対にここ」という考え方は思考停止かと。
ザックは洗濯機で洗っています。
小生は、ほぼ毎週登山していますし、山旅カレッジのメンバーも月二回程度の登山はされていると思います。ザックは当然、汗でビショビショですよね。乾かしてファブリーズ、でも匂いが取れなかったりするものです。で、遠慮無く、洗濯機で洗っています。
インナーフレームが外せるタイプを

ザックを洗濯するとき、邪魔になるのがインナーフレームです。外せないと洗濯槽に入らない。細かいことでもこの点が重要。30L以上のザックはフレームを外せるタイプを選びましょう。洗剤も普段使っている普通のもの、専用洗剤とか使ってません。ナイロンなので乾燥機はダメ、尼蓋を下にして乾燥させればOKです。
防水して完璧です。

木村ガイドお薦めの防水液、ネバーウエット・ネオを背中を除くザック全体にまんべんなくスプレーして、24時間乾燥させればOKです。完全に乾くまで石油臭がしますので、必ず陰干ししてください。防水がいまいちだった場合は再度スプレーして乾燥させてください。
ザックの寿命
使い込まれたドイター・ガイド35+(廃盤)、ザックの内側の防水コートフィルムが白く剥離し始めたらザックの寿命です。どんなに優秀な防水スプレーかけてもザックの生地自体が寿命のため、諦めましょう。お疲れ様でした。